触法障がいについて

触法障がい者の現状

触法障がい者とは、障害と疾病を併せ持つ、罪を犯してしまった知的障がい者、精神障がい者の事を言います。

平成13年から16年までの「矯正統計年報」の文部省のCAPAS(キャパス)という知的水準を測るテストにおいて、新しく刑務所に入る新受刑者のうち、およそ2割の方が知的障害者(IQ69以下の者)であることが分かります。

  • 新受刑者における知的障がい者の割合(知能指数IQ69以下)
    • 平成13年の新受刑者28,469人のうち6,596人 (23.2%)
    • 平成14年に新受刑者30,277人のうち7,079人 (23.4%)
    • 平成15年の新受刑者34,351人のうち6,959人 (20.2%)
    • 平成16年の新受刑者32,090人のうち7,176人 (23.3%)

現状

参考:平成20年度厚生労働科学研究障害保健福祉総合研究成果発表会報告書

 

触法障がい者に対する一般社会の風当たりはいまだに強く、「地域社会で居場所をなくした障がい者が、福祉につながることができず、そのまま犯罪者として刑務所を居場所にしてしまう」という社会問題は、更なる再犯率の増加を助長しています。

 

支援方針

私達は、福祉的観点からこの問題に取り組み、「安心安全な社会・平等で平和な社会」を目指すことこそが、ウィサポート福岡の使命であると信じています。

地域生活定着支援センターや保護観察所等の関係機関との調整を図り、矯正及び更生保護施設等の機関から受入体制を整備しています。

障がい者就業・生活支援センターや地域活動支援センター、発達障がい者支援センター等の福祉機関との連携を図りながら、就労・生活訓練・地域生活支援への移行、社会復帰等に向けた福祉分野の役割を十分に発揮し、触法障がい者に再起のある将来を目指し、真の社会復帰が叶えられるよう支援していきます。

障がい者雇用促進へのアプローチ

現状における問題点を探り、行動観察を通じて得た情報をもとに、一人ひとりの能力あるいは個性を踏まえた支援を行うとともに、周囲とのトラブルを避けるよう社会性や対人関係に考慮しています。規律違反があった場合も、本人の資質に応じて根気よく支援するということを前提に活動しています。 また事業所には社会福祉士・精神保健福祉士が常駐しているため、相談支援を通じて、心理的アプローチによるケアにも配慮しています。 同時に教育支援についても効果があると考えています。新入時オリエンテーションを分かりやすく行い、個別面会回数や個別支援を増やしています。これらを通じて「自分は認められている、自分でもこういうことをやれるんだ」という被承認体験を獲得することで、自己の有能感や自信を持たせるような対応を行い、資質に適した学習支援を準備しています。 医療機関との連携は障がい者の支援にとってたいへん有効と考えられるため、医療機関との情報交換・連絡を密にすることで、医療的視点についても配慮しています。